
SK Telecom T1
3年ぶりの優勝なるか
SK telecom T1(以下SKT)は、Legue of Legends(以下LOL)史上、最も成功したチームだ。
FakerというLOLに留まらず、esportsシーン全体に名が轟く選手を有し、数多くの実績を残している。
最もレベルの高いといわれる韓国地域で優勝した回数は数えきれないほどであり、世界大会も5度の優勝を遂げている。
そして新たにSKTに加入したメンバーはまさに『ドリームチーム』であり、世界大会優勝を見据えた素晴らしいチームに返り咲く。
LCKプレイオフから調子を上げてきている
リーグではいまいち他のチームを圧倒できなかったSKTだったが、プレイオフのSKTは違った。
SKTは一早く、プレイオフのメタに順応し、Round1からFinalまで格の違いを見せつけるように1チームずつ倒していく。
SKTのエース的存在のClidは『エリス』と『サイラス』を積極的にピックし、序盤のタワーダイブなどから有利を築き、そのまま圧倒するといった試合展開を何度も繰り広げた。
また、SKTの象徴的選手であるFakerも、プレイオフでは目覚ましい活躍を見せた。
『キヤナ』や『ルブラン』といったアサシンチャンプでマップ全体を動き回って試合を支配したり、『レネクトン』を使ってダメージを請け負いながら有利な集団戦を作り上げる渋い仕事をしたり、様々な役割を担っていた。
Fakerのピックプールの広さはどんなメタにも順応しうる、SKTの大きな武器だろう。
最終的なプレイオフ全体の戦績は13戦11勝。
MSIではG2 esportsに屈したSKTだが、Worldsに向けて調子を上げてきており、リベンジする可能性は充分にある。優勝候補筆頭だ。
■SKT vs AFS ハイライト
■SKT vs SB ハイライト
■SKT vs DWG ハイライト
■SKT vs GRF ハイライト
Fnatic
Worlds2018は悔しさ残る準優勝
EUきっての強豪チーム『Fnatic』は昨年のWorlds2018において、チーム全盛期という前評判通りに次々と強敵を撃破し、決勝まで駒を進めた。
しかし、決勝戦にてinvicts GaminGに3連敗を喫し、悔しい形で準優勝となった。
今年のFnaticの完成度も非常に高い
その後、チームのエースであったミッドレーナーの『Caps』選手が同地域のライバルチームに引き抜かれるなどして、今年はどうなるかと思われたが、それでもFnaticは強かった。
『Nemesis』という、スペインリーグでは活躍していたが、メジャーリージョンでの実績がないミッドレーナーを獲得。
シーズン当初こそ安定しなかったものの、シーズンを通じて成長していき、得意のツイステッド・フェイトを筆頭に素晴らしいミッドレーナーとなった。
また、チームのエース兼リーダーでもある『Rekkles』はマークスマンの象徴的選手だったが、最近多様化してきたボットレーンにも対応してきており、そのクオリティも高い。
チームとしても、今年MSI2019でも優勝し現在世界最強と評価されるG2 esports相手にも、毎回後一歩のところまで迫っており、両者の実力は拮抗している。
昨年叶わなかった、悲願のWorlds優勝を成し遂げる可能性は充分にある。
Nemesis Montage
Caps Montage
Royal Never Give Up
Uziが残すのはWorlds優勝のみ
歴代最強のADCと言えば、誰もがRoyal Never Give Up(以下RNG)のUziを挙げるだろう。
それほどまでにUziのスキルは卓越しており、今まで何度もチームをキャリーしてきた。
それ故、RNGのチームスタイルはADCを育てて守ることに一辺倒になりがちではあるが、それでも勝ててしまうのがRNGというチームである。
そんなRNGはこれまでLPL王者とMSI王者の称号を得たことはあるが、Worldsだけは未だBEST4が最高成績である。
そしてそのチャンスを何度も妨げてきたチームがSKTである。その因縁の相手SKTとグループリーグで再び相まみえることになった。
Uzi Montage
Uziだけじゃない
RNGはどうしても大エースであるUziに注目が浴びがちだが、その他のプレイヤーも一流選手が揃っている。
まずはUziの女房役であるサポートのMing。
Mingはスレッシュ、アリスター、ブラウム、ジャンナなど、どのようなチャンピオンでも高いメカニクスを発揮する。
視界管理も正確で、海外メディアによるWorlds2019選手ランキングでもサポートで一番高い順位を獲得している。
次にジャングルのKarsaは、相変わらずネクストレベルのパフォーマンスをLPLにて発揮している。
メンタル面でも強化されたのか、チームを引っ張るリーダー的存在も担っている。
しかし、唯一不安を残すとしたら、トップレーンだろう。
年間を通じて、5人のトップレーナーを試すなど、トップレーナーの人選に苦しんでいる印象を受ける。
最終的に定着したLangxもいい選手ではあるが、世界トップレベルの高いで有利を取れるかと問われると、疑問符が残ってしまう。
しかし、総合的に見るとRNGは非常に強いチームであり、LPLでもFPXには後れを取ったが2位で勝ち上がってきたことから、優勝の可能性は大いにある。
Karsa Montage
Clutch Gaming
元SKTがSKTに挑む
Clutch Gaming(以下CG)のエースであるトップレーナーのHuniは元SKTであり、2017年にWorlds決勝の舞台も経験したプレイヤーである。
そのCGとHuniはNALCSのRegional FinailでTSMを3-2で破り、Play-INステージに進出し、見事Play-INを勝ち抜いてWorlds本戦へと駒を進めた。
そして抽選の末、Huniは元所属していたSKTとぶつかることになった。
Huni自身も、「グループCに入ってSKTと戦いたい」と言っていたので、モチベーションは高いだろう。
Play INステージでは、グループ予選で格下と思われていたチームに2敗するなど、チームの調子があまり良くないように見られたが、ノックアウトステージでは強豪トルコ地域のRoyal Youth相手に危なげなく3連勝を収めるなど、調子を上げてきている。
しかし、それでもグループCの他3チームは優勝する可能性も非常に高い超強豪チームしかいないので、厳しい戦いになるのは間違いないだろう。
CG vs RY ハイライト
勝敗予想とグループ突破予想

Rekklesやuziといった各チームのエースであるADC相手にも、Teddyならば互角以上に渡り合えるだろう。
むしろサポートのEffortがMingなどに格付けされないかが不安要素である。Mataが後半戦から出てくる可能性もあるだろう。FakerとClidのMid-JungleラインがFnatic、RNG相手にどれだけ差をつけることができるかがポイントだ。



グループリーグ結果
死の組グループCは前半戦からSKTが掌握する展開に。
RNGとの大会屈指の試合を制すなど3連勝を達成しグループリーグ突破を大きく近寄せる。
特に最後のバックドアの判断は多くのLOLファンを熱狂させたことだろう。
後半戦の主役は地元EU開催で大いに期待が寄せられていたFnaticだった。
ここまで全く隙の無い圧倒的な強さを発揮していたSKT相手にミッドベイガーなど独特なチーム構成で挑む。
前半戦ガレンとモルガナしかピックしていなかったRekklesも遂にマークスマンを解禁した。
素晴らしいベイガーとグラガスの連携や、やはり上手かったRekklesのザヤの活躍など、この大一番でFnaticが勝利。
その結果、最終試合のRNG vs Fnaticの勝者がグループリーグ突破となる熱い展開に。
両者絶対に負けらない試合ではFnaticはサポートのHilysangの得意なパイクを選択し、そのカウンターとしてRNGはルルを選択した。
だが、現環境にそこまで適応できていなかったルルをFnaticが序盤から狙っていき、有利を築く。
RNGもなんとか逆転のチャンスを掴もうとエースのUziにゴールドを集めていく。
しかし、この一戦に最大限の集中で挑んだFnaticはその後大きなミスもなく段々と有利を広げていきそのまま勝利。
かつてRNGによってグループリーグ敗退し泣き崩れてしまったRekklesは、Worlds2019において全く違う種類の涙を流すことになった。
CGはHuniが孤軍奮闘で何度も印象的なプレイを行ったものの、悔しい6連敗に終わってしまった。RIP。