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Worlds2019 決勝
賞金総額:$ 2,225,000
開催日:2019年11月10日
開催地はフランスの首都パリ
ヨーロッパ開催となったWorlds2019だが、決勝の舞台はフランスの首都パリの『AccorHotels Arena』で行われた。
世界室内陸上競技選手権大会の開催をはじめ、2000年のヨーロッパ体操競技選手権、ATPワールドツアー・マスターズ1000のBNPパリバ・マスターズなど、多くの世界大会が開催された場所だ。またライブ会場としても有名であり、ここでイベントを開催できる団体は数が限られており、日本で言う東京ドームのような場所である。(wikipedia参照)
WCS決勝とても楽しかったです!
歓声が凄すぎました!
#Worlds2019 pic.twitter.com/itprmtoCbv— シロン (@lol_siron) 2019年11月11日
歴代優勝チーム
Season2:Taipei Assassins(台湾)
Season3:SK Telecom T1(韓国)
2014:Samsung White(韓国)
2015:SK Telecom T1(韓国)
2016:SK Telecom T1(韓国)
2017:Samsung Galaxy(韓国)
2018:Invictus Gaming(中国)
ベスト4には王者達が勢ぞろい
決勝トーナメントに残った8チームは、韓国3チーム(SKT GRF DWG)、ヨーロッパ3チーム(G2 FNC SPY)、中国2チーム(FPX iG)だ。
そして準決勝にはSKT(LCK王者)、G2 Esports(MSI王者&LEC王者)、FPX(LPL王者)、iG(Worlds2018王者)が残った。
今年のWorldsはどこが優勝してもおかしくないという前評判であり様々なチームが素晴らしい実力を発揮していたが、最終的にベスト4残ったチームはそれぞれ違った形の王者達であった。
そして準決勝はそれぞれ因縁ある対決となる。
G2 Esprts vs SK Telecom T1
1つ目のカード、『G2 Espots vs SK Telecom T1』は春に行われた世界大会MSI2019の準決勝と同じカードである。
G2 Esportsはグランドスラム(春夏地域優勝&MSI優勝&Worlds優勝)を達成するための大きな壁として、SKTとしてはMSIでフルセットの末敗れた因縁の相手として絶対に負けられない戦いだ。
試合全体を通して序盤中盤と各レーンの強さを活かして有利を築き上げたSKT。
4試合の内、バロンを取った数もドラゴンを取った数もSKTが上だった。
しかし試合に勝ったのはG2 Espots だった。
SKTが有利を活かして、何かを得ようとしても、G2 Espots は冷静にマップを見極め、『捨てるものは捨てる』という判断を的確に実行。
その対価として何かしらのオブジェクトを奪い、差を広げられないようにするという今までのLOLでは見たことのない戦術でSKTに食らいつく。
そして持ち前の集団戦の強さを発揮して終盤で試合をひっくり返すという試合展開で結果的に3-1でSKT相手に勝利してみせた。
FunPlus Phoneiex vs invictus Gaming
2つ目のカード、『Funplus Phoeniex vs invictus Gaming』は両者中国代表同士の決戦となった。
iGがリーグでは不調だったこともあり春夏通して、両者がBO5で戦ったことはない。
しかしWorlds2019の準決勝という大舞台で現在中国No1のチームは決定する重要な1戦が実現した。
DoinbとTianのミッドジャングルラインを中心にチームの総合力が強みのFPX。
The ShyとRookieを始めとした高いメカニクスでレーン段階から有利を築き戦闘に勝利していくことが強みのiG。
両者LPL代表ながらお互いのチームカラーは大きく違い、スタイルウォーズ的な側面を持つ戦いとなった。
そしてこのBO5を勝利したのはFPXとなった。
Doinbの序盤からサイドに圧力をかけていく戦術により、ミッドレーンは勿論のことスーパーエースのThe Shyがいるトップレーンでも上手く試合を作っていくことができなかったiG。
ミッドノーチラスという、LPLではよくとっていた戦術だが、Worldsでは初めて繰り出したFPXのとっておきの戦術も披露し3-1でFPXが勝利し決勝へ駒を進めた。
FunPlus Phoenix vs G2 Esports
そしてWorlds2019の決勝のカードは『FunPlus Phoenix vs G2 Esports』という中国王者 vs ヨーロッパ王者という構図になった。
昨年のWorlds2018の決勝は『invicutsGaming vs Fnatic』であり、2年連続中国 vs ヨーロッパということに。
この一戦は『Doinb vs Caps』というミッドレーナーの対決にも注目が集まった。
デビュー以来、Worldsでも大活躍を見せ今やヨーロッパ最強のミッドレーナーの座をほしいままにする栄光の道を歩んできたCaps。
しかしそんなCapsはFnaticのミッドレーナーとしてWorldsに挑み、決勝で0-3で敗れるという悔しい経験をした。自国ヨーロッパ開催ということもあり絶対に負けられない戦いである。
一方のFPXのミッドレーナーDoinbは非常に明るく、ファンも多い人気プレイヤーだが歩んできたキャリアは順風満帆とは決して言えない。
デビューしたチームではチームメイトと揉め試合に出して貰えなくなった。
チームを変えどのチームでもエースとして活躍したが、度重なる体の不調や中々優勝できないジレンマからプロシーンから退くという決断を何度も下しそうになった。
しかし、今年結婚した奥さんに励まされ「もう1年だけやってみよう」と今年誰よりも努力してきた男の一人だ。
もはや誰しもが実力を疑わないこの二人が今年最強のミッドレーナーを決める戦いに挑んだ。
自分達のスタイルを貫いたFPXがG2 Esportsをストレートで下す
序盤からDoinbとTianを中心にチーム全体で連動し有利を築き上げていくという戦法を終始FPXは貫いた。
その狙い通りに2レベルや3レベルといった最序盤からタワー下にすら圧力をかけていき、多くのリターンを得ていく。
これは一歩間違えれば大きな不利を背負うリスクあるプレイであるが、FPXはこの戦法を春夏通じて練習してきておりWorlds決勝という重圧のかかる舞台でもやってのけた。
しかし対するG2 Esportsは序盤不利を背負ったとしてもSKT相手にすらひっくり返すポテンシャルを持つチームだ。
準決勝で見せたように、相手の一瞬の隙をつくようなサイドへの圧力を繰り出そうとした。
しかしG2 Esportsは準決勝で手の内を明かしすぎたのかもしれない。
FPXはそのG2 Esportsの今までになかった戦略を1週間で研究してきたのか、適切な人数をG2 Esportsの仕掛けに割いて別の場所で有利を広げていく展開に。
集団戦や少数戦でもFPXが勝利を積み重ね、最終的に3-0のストレートでFPXが勝利した。
Worlds2019 総括
短いようで長かったWorlds2019は『FunPlus Phoenix』の優勝で幕を閉じた。
今年のWorldsはどこの地域のどのチームが優勝するか本当に分からない非常に面白い大会となった。
その中でDoinbの序盤からマップ全体に圧力をかけてチームを有利にしていく新しいミッドレーナーの形はとても印象に残っただろう。
これで中国が2年連続優勝し、ヨーロッパが2年連続準優勝という結果になった。
言い換えれば2年連続韓国チ―ムが決勝に行けなかったということになる。
現最強地域は誰もが中国という認識になったことだろう。
Worlds2020では中国が3連覇を達成するのか、それとも今度こそヨーロッパが優勝するのか、はたまた韓国が復活してくるのか。
Worlds2019が終わったばかりではあるが、早速来年が楽しみで仕方がない。