SK telecom T1

SK telecom T1(以下SKT)は、Legue of Legends(以下LOL)史上、最も成功したチームだ。
FakerというLOLに留まらず、esportsシーン全体に名が轟く選手を有し、数多くの実績を残している。
最もレベルの高いといわれる韓国地域で優勝した回数は数えきれないほどであり、世界大会も5度の優勝を遂げている。
中でも2015年~2016年にかけて、LOL最高峰の世界大会、Worldsを2連覇する快挙を達成し、SKTは黄金期を築いた。
しかし、2017年にWorlds決勝で3連敗を喫し、2018年には世界大会はおろか、国内でも勝てなくなってしまったのだ。
そんなSKTは、王者の椅子を取り返すべく、なんとFaker以外の4人のスタメンを放出し、チームを刷新するという挑戦にでた。
そして新たにSKTに加入したメンバーはまさに『ドリームチーム』であり、世界大会優勝を見据えた素晴らしいチームに返り咲く。
絶対王者ではなく、最強の挑戦者と化した新生SKTについて今回はフォーカスしていきたい。
SKT メンバー
TOP:Khan
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・元KingZoneDoragonX
・Season9 SKT新加入
・Twitchフォロワー数:65,000人
・キャリーTOPの代名詞
・Teddy「Khanに強いピックを渡せば勝ち確定」
・LCK 2018 Spring 優勝
・MSI 2018 準優勝
・2017年 LCK ジェイス勝率90%
「Khanに強いピックを渡せば勝ち確定」
そうチームメイトであるTeddyに言わせしめるほどレーン戦が強い『Khan』。
LCKというTOPがキャリーする伝統がある地域の中でもKhanのキャリー力は群を抜いているだろう。
特にジェイスを使わせればKhanに並ぶものはいない。2017年には何度もジェイスをピックし勝率が90%であった。
そんなKhanはSeason9でSKTに新加入し、最初は少し適合に苦しんだ。
しかし、そんなKhanが復活したのはやはりキャリー系のチャンピオンピックをし始めてからだった。
ジェイスやエイトロックスなどのキャリー系チャンピオンを使いだしたKhanは本来の輝きを発揮し、Bot中心に試合を組み立てていたSKTに新しいオプションを与えた。
MarinというSKTのレジェンドTOPに勝る活躍を見せることができるか、今後のKhanに注目してほしい。
JG:Clid
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・元JD Gaming
・Season9 SKT新加入
・LPLでチームを3位に導く
・緻密なミクロと鋭い読みでゲームを支配する
・Fakerに新加入から「寄りが遅い」としっかり意見できる
・19歳の新鋭
Season9にSKTに新加入したJGは二人。
一人はGen.Gで活躍し、LCKの実績もある「Haru」。
そしてもう一人は中国で頭角を現していた「Clid」だ。
LPLで3位にチームを導いた実績はあってもLCKでの実績はHaruの方があり、「スタメンはHaruかな?」と思われていたが、チームはClidを抜擢した。
そしてClidはその期待に応え、長らくJGに問題を抱えていたSKTを復活させた。
リーグ戦では何度もMVPを獲得し、プレイオフでも獅子奮迅の活躍。
19歳という年齢ながら、レジェンドであるFakerにもしっかり意見をぶつけ、チームを引っ張ている。
SKTには伝説的JGであるBengiというレジェンドがいるが、Clidがその実績を塗り返すポテンシャルを秘めているのは間違いないだろう。
Mid:Faker
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・YoutubeCH登録者数:520,000人
・Twitchフォロワー数:1,730,000人
2013年に鮮烈なプロデビューを果たし、一気に世界最強まで躍り出た伝説の選手『Faker』。
現在の最強となると色々議論の余地はあるだろうが、「今までの経歴全てを鑑みて最強の選手は誰か?」と問われると、間違いなくFakerが選ばれるであろう。
ミッドレーンという、マップのど真ん中に君臨してきたFakerは、アグレッシブなプレイスタイルで、何度もチームを勝利へ導いてきた。
SKT Telecom T1という絶対王者のチームは厳しいスタメン争いから何度も選手が入れ替わってきたが、MidだけはずっとFaker選手である。
そして2018年にスタメン4人を放出し、新たなメンバーを加え、新生SKTとなったがFakerだけはSKTの象徴として未だチームをキャリーし続けている。
新生SKTで、トップレーン、ボットレーンどこからでもキャリーできるようになったが、Fakerはその新しい力に全く引けを取らない実力を発揮している。
何度も栄光を掴み、つい練習を疎かにしてしまって、実力が新しいストイックな選手に抜かれてしまうというのはよく聞く話である。
しかし、Fakerの素晴らしいところは、どれだけ優勝しても全く練習を怠らず、全力でLOLに取り組んでいる所だ。
これだけ長い間活躍し続けているFakerはもはやLOLシーンを超えてesportsシーン全体でも超有名だ。
Esports Hall of Fameにも選ばれもはやその存在はesportsの象徴である。
■Faker Montage
■The Story of Faker
■Faker 来日イベント『Rage』
ADC:Teddy
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・元 Jin Air Wings所属
・Season9 SKT 新加入
・「LCKを1vs9で戦っている」と称されたADC
・抜群のメカニック
・CS、ダメージ、生存力、マクロと、どれも隙のない完璧なADC
「LCKを1vs9で戦っている」
「Jin Air Wingsの歩くネクサス」
そんな風に称されていたSKT新加入のADC『Teddy』。
LCKにはDeft、Viper、Rulerと素晴らしいADCが揃っているがその中でも、「最強はだれ?」と問われたらTeddyの名が一番多くあがるであろう。それほどまでに、SKTでのTeddyの活躍は凄まじい。
Bangという先代の偉大なADCの後釜ということもあり、プレッシャーも凄まじかったはずだろう。
しかし、Teddyは期待以上のキャリー力をファンに見せつけ、何度もMVPを取得した。
死なない、キャリーする、マクロも素晴らしいと全く隙のないように見えるが、無理に弱点をあげるとすると大舞台の経験がないことぐらいだろう。
今後MSIやWCSといった世界大会において、本来の力を発揮できるかどうかが課題である。
しかし、本来の力を発揮できたとき、Teddyという名はもしかするとあのADC界の絶対王者『Uzi』をも超える名声を手に入れるかもしれない。
■95分ゲーム1400CSの伝説となったゲーム
Sup:Mata
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・元KT RolsterでDeftの相方を務める
・元 Royal Never Give upでUziの相方を務める
・LPLとLCKで優勝経験あり
・Twitchフォロワー数:69000人
・2012年より活躍するベテランプレイヤー
・韓国サーバーでランク1位を獲得するほどのメカニクス
・世界最強のSUP
「名声を挙げたADCの隣にはいつもMataが」
そう言われるほど、Mataの隣にたつADC達は世界的に有名な選手ばかりである。
世界最強といわれるUziに、韓国が誇る最強のアルパカDeftの相方をMataは長年務めてきた。
彼らは何度もチームをキャリーしてきたが、ADCがキャリーするにはSUPの手助けが必要であり、Mataはその期待に何度も答えた。
エンゲージよし、ピールよし、視界管理よし、味方への寄りもよし。
Mataはサポートに必要な能力を全て兼ね備えている、世界最強のサポートといっても過言ではないだろう。
当然、現在の相方であるTeddyとの相性もよく、Teddy&MataのボットレーンはもはやSKTで一番の武器となっている。
■RNG時代のMata
LCK Springで優勝し、世界の切符を得る
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Season9で4人メンバーを入れ替えたSKTは、個々の実力に疑いはないものの、チームの連携が不安視された。
しかし、最初から素晴らしい連携をSKTは披露し、さらにその連携や戦術は試合を重ねるごとに深みを増していく。
「アナザーレベル」とも称された、もう一つの化け物チームGriffinには後れをとってしまったがリーグ戦を2位につけた。
■SKT LCK リーグ戦ハイライト
そして迎えたプレイオフ、SKTは準決勝からのスタートになったが、その相手はKingZoneDragonX(以下KZ)。
KZはリーグ序盤こそ低迷したものの、途中からエースのDeftを中心にGriffinを破るなど破竹の連勝を決める。
プレイオフでもDWGを3-0で破って準決勝に進出し、最も勢いにのったチームだった。
しかし、Deftが霞んでしまうほどに眩い活躍を見せるTeddyや、やはり強かったと再認識させられてしまうFakerらの活躍によりSKTは3連勝。
特に集団戦においては、明らかに別格の強さをみせ、決勝へ進出した。
■LCK Semi Final SKT vs KZ ハイライト
迎えた決勝戦、相手は2018年より頭角を現し今では時の人となったチーム「Griffin」。
エースであるTarzanやFakerよりも強いのではないかとささやかれるChovyなどを抱えた超強豪チームだ。
そんな注目の1戦で仕掛けたのはGriffinだった。
ボットレーンに「タリヤ」と「パンテオン」を配置する予想外のピックを選択していく。
その奇抜な戦術と、Griffinのとんでもない技術に劣勢に立たされてしまったSKT。
しかし、最後のところでふんばり、試合を長引かせ自分たちの時間まで耐え抜いたSKTは試合をひっくり返す。
とくに最後の瞬間は2016年にPraYという伝説的選手が決めた長距離アローを彷彿とさせるTeddy選手のビックプレイもあり逆転勝利を収めた。
そしてこの勝利で勢いにのったSKTは2試合目、3試合目と序盤からリードを奪い全く隙の無い試合展開で3連勝しLCK Spring王者に輝いた。
■LCK Final SKT vs Griffin ハイライト
そして世界大会(MSI)へ
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Mid-Season Invitational
開催地:ベトナム、チャイニーズタイペイ
賞金:1億円以上
参加チーム:各国の王者
LCK Springを優勝したSKTはMid-Season Invitational(以下MSI)の出場を決めた。
世界最強地域として君臨してきた韓国だが、去年はMSI、WCSという2つの世界大会で中国に王者の座を奪われている。
SKTという、伝説的チームの誇りとして、そして最強地域韓国という称号を奪い返すため。
新生SKTは世界に挑戦する。