MSI 2019 概要

Mid-Season Invitational(以下MSI)はLeague of Legendsの中で2番目に権威の高い大会だ。

年2回行われる世界大会の1つであり、MSIはWorldsと違って各国の王者のみが優勝を争う

Worldsでは競争の激しい強豪地域からは2~3チームが出場可能だが、MSIではどこの地域も等しく1チームしか出場することができなので、Worldsよりも出場することが難しい。

そんなMSIがベトナムとチャイニーズタイペイにて5/1(水)~5/19(日)にかけて開催される。

概要

・開催地域:ベトナム、チャイニーズタイペイ
・賞金総額:100万ドル
・出場チーム数:13チーム


公式サイト
https://jp.lolesports.com/news/2019-mid-season-invitational-location

出場チーム

中国(LPL):Invictus Gaminglogo std.pngInvictus Gaming
韓国(LCK):SK Telecom T1logo std.pngSK Telecom T1
欧州(LEC):G2 Esportslogo std.pngG2 Esports
アメリカ(LCS):Team Liquidlogo std.pngTeam Liquid
台湾(LMS):Yoe Flash Wolveslogo std.pngFlash Wolves
ロシア(CIS):Vega Squadronlogo std.pngVega Squadron
東南アジア(LST):MEGAlogo std.pngMEGA
トルコ(TCL):1907 Fenerbahçe Esportslogo std.png1907 Fenerbahçe
ベトナム(VCS):Phong Vũ Buffalologo std.pngPhong Vũ Buffalo
ブラジル(CB):INTZ e-Sportslogo std.pngINTZ e-Sports
ラテンアメリカ(LLA):Isurus Gaminglogo std.pngIsurus Gaming
オセアニア(OPL):Bomberslogo std.pngBombers
日本(LJL):DetonatioN Gaminglogo std.pngDetonatioN FocusMe

歴代優勝チーム


2015年

優勝:EDward Gaminglogo std.pngEDward Gaming
準優勝;SK Telecom T1logo std.pngSK Telecom T1

2016年
優勝:SK Telecom T1logo std.pngSK Telecom T1
準優勝:Counter Logic Gaminglogo std.pngCLG

2017年
優勝:SK Telecom T1logo std.pngSK Telecom T1
準優勝:G2 Esportslogo std.pngG2 Esports

2018年
優勝:Royal Never Give Uplogo std.pngRNG
準優勝:Kingzone DragonXlogo std.pngKingzone DragonX

2015年から開催されているMSIだが地域別成績をまとめると以下の通りだ。

地域別歴代成績
韓国(LCK):優勝2回準優勝2回
中国(LPL):優勝2回
欧州(LEC):準優勝1回
アメリカ(LCS):準優勝1回

見て分かる通り準優勝以上の成績は4地域が独占している。

優勝に至っては韓国と中国が共に2回ずつという結果だ。

やはりこの4地域はそれだけ強豪チームがひしめき合う地域であり、MSI2019においても当然優勝候補はこの4地域が中心になるだろう。

そんな主要4地域の試合を『まあ、だいたい』観戦した筆者が『独断と偏見』で優勝予想をさせてもらう。

主要地域チームの分析

Invictus Gaminglogo std.pngInvictus Gaming

Roster
TOP:The shy / Duke
JG:Ning
MID:Rookie
ADC:JackyLove
SUP:Baolan

LPL代表、2018年度世界王者『Invictus Gaming』。

昨年中国勢初のWorlds制覇を達成したメンバーが勢いそのまま暴れているのがIGだ。

LPLは世界最強ADCのUziを有するRNGや新たな超強豪FPX伝統のEDG、WE、TOPなど世界大会でも優勝を目指せるチームが数多く存在する熾烈な地域だ。

そのLPLでリーグ戦では2位に甘んじたものの、プレイオフではきっちり仕上げ圧倒的な力で優勝。

特に決勝戦ではRNGやFPXをフルセットの末破り、勢いに乗るJDGを3-0で圧倒した。

IGはLPLで世界王者たる所以をこれでもかと知らしめたのだ。

そんなIGの強さの秘訣はなんといっても個々のメンバーの圧倒的なプレイスキルである

特にTOPのThe shyとMidのRookieはもはや存在が反則級であり、プロシーンでは発生しずらい『ソロキル』を当たり前のように何度もやってのける。

奇跡的にIG相手に序盤でリードを築いたとしても、その戦闘力の高さで不利なはずの集団戦を無理やり勝利し逆転される。

IGに勝つには握手の際、TheshyRookieの手首にハラスするしかないのかもしれない…。

■LPL決勝ハイライト

SK Telecom T1logo std.pngSK telecom T1

Roster
TOP: Khan
JG:Clid / Haru
MID:Faker
ADC:Tedyy
SUP:Mata
何度も世界を制してきた絶対王者『SK Telecom T1』。
LOLの競技シーンにおいて何度も栄光を勝ち取ってきたSKTだが、2017年にWorlds決勝で敗れて以降、成績が振るわずにいた。
しかし、Season9にFakerという大黒柱以外のメンバー全員を入れ替えるという大改革を経て、再びSKTはLCKの王者の座に返り咲くことに成功した。
LCK決勝ではリーグ戦1位で『アナザーレベル』とも称されたGriffin相手になんと3連勝で優勝するという快挙を達成する。
今のSKTの強さは、どこのレーンからでもキャリーできる各レーナーの個人技の高さと、試合を形づくるJGとSUPの圧倒的マクロ力の融合である。
全員がエース級のドリームチームだが、注目選手を二人挙げるとするとADCのTeddyとJGのClidだろう。
この二人は今のSKTの屋台骨といっても過言ではない活躍を見せているが、一つ懸念事項を挙げるとすると世界大会に対する経験不足だろう。
しかし、この二人が世界の舞台においても、臆することなく自身の力を十二分に発揮するとき、SKTはLCKに3つ目のMSI優勝トロフィーをもたらすことになるだろう。
■LCK決勝ハイライト

G2 Esportslogo std.pngG2 Esports

Roster
TOP: Wunder
JG:Janks
MID:Caps
ADC:Perkz
SUP:Mikyx
そんなのありか⁉ EUのドリームチーム『G2 Esports』。
EUには二人の代表的なミッドレーナーが存在した。
一人は去年Worldsの準優勝やオールスター1v1トーナメント優勝などを果たしたCaps
もう一人は一昨年のWorldsで一気に名前を世界に轟かせたPerkzだ。
どちらも物凄い個人技を有しており、「どちらが上か?」という議論をしていたところ、なんとCapsがG2 Esportsに移籍し、PerkzがADCにコンバートしたのだ。
そしてPerkzはADCでも持ち前の個人技をいかんなく発揮し、さらに元MIDということもあり最近はやりのADCのメイジピックも難なくこなすことができる。
このEU圏のみの選手で構成された新G2 EsportsはEU LCSを圧倒的な実力で優勝した。
特に決勝戦では、最近流行りの「ソナ&タリック」構成に対し、ミッドにザヤラカン、ボットにモルガナ、フリーで動き回るパイクという世にも奇妙な構成を繰り出すなど、常識にとらわれない奇抜な戦術で圧勝した。
CapsPerkzという二大スーパーキャリーと柔軟な戦術を有するG2 EsportsはMSIという舞台においても、大爆発すること間違いなしだ。
■EU LCS決勝 ハイライト

Team Liquidlogo std.pngTeam Liquid

Roster
TOP: Impact
JG:Xmithie
MID:Jensen
ADC:Doublelift
SUP:CoreJJ

混戦を制し、頂を勝ち取ったNAの雄『Team Liquid』。

Cloud9やTSMなど世界大会常連のチームが数多く存在するNAにおいてTeam Liquidはリーグ戦で1位を勝ち取った。

しかし、プレイオフ決勝にてTeam Liquidは大苦戦。TSM相手に2連敗する試合展開になってしまう。

なんとか接戦を制して2勝2敗のところまで持ち込むものの、最終戦でTSMのポーク構成の前に何もできず劣勢にたたされてしまう。

35分までに大幅なリードをTSMが握り、このまま負けてしまうのかと思っていたところに、Zvenが信じられない大ミスを犯してしまう。

そのミスを見逃さなかったTeam Liquidがこのワンプレーを境に復活し、大逆転勝利を収めた。

そんなTeam Liquidの注目選手はMIDのJensenとADCのDoubleliftだろう。

Jensenは幅広いピックを持つキャリーMIDとして長い時期活躍するベテランプレイヤーで、Doubleliftは今回の優勝でNAのトロフィーを一番多く持つ男になったベテランADCだ。

二人とも世界の強豪に見劣りしない個人技を持つプレイヤーであり、Team Liquidが悲願のNA勢優勝を果たすために、この二人の爆発は必要不可欠だろう。

また、ImapactCore JJというWorlds優勝経験のある二人の韓国人選手も要注目だ。

■Team Liquidを優勝に導いたZven


0:15~ Jensen相手に身長ハラスをしかけるZven
0:27~ Jensenの過去のトラウマをほじくり返すZven
2:14~ ワードを守ろうと孤立して捕まってしまいバロンを失う
3:40~ Teddyばりの前ブリンクインダブルキルを狙うも溶かされてしまう

■NALCS 決勝 ハイライト

優勝予想

順当に考えれば、やはり去年Worldsを優勝しメンバーもそのままであるInvictus Gamingが本命となってくるだろう。

韓国地域よりも強いんじゃないかと噂されるLPLにおいても、決勝戦を3-0で制したという事実も相まって、MSIを制する確率は非常に高い。

特にRookieとThe shyの二人は他の選手たちとは1つレベルの違うところにいるような気がする。

vs Invicutus Gamingにおいて最重要ポイントはどれだけこの二人に食いついていけるかどうかが注目だ。

 

対抗馬はやはりSKTになってくるだろう。

あのGriffinを3-0で下したのは衝撃的であり、どのレーンからでもキャリーできるというのはチームに安定感を生むだろう。

vs IGにおいてはFakerとKhanがレーンを耐え、ClidとTeddy&Mataで優位を築いていくような試合展開に持ち込みたい。

懸念事項はTOPのKhanがキャリー系チャンピオン以外のパフォーマンスが低いので、そこをつかれたら危ないような気がする。

 

G2 Esportsが優勝する確率も十分にあるだろう。

昨年WorldsでもEUは2チームがBest4に入り、そしてその2チームのいいとこどりみたいなチームが今のG2 Esportsである。

CapsとWunderならばRookieとThe shyにレーンで勝つことができるかもしれない。

さらに、EUの決勝戦で繰り出したような新戦術を繰り出し、それが刺さると、もしかするともしかするかもしれない。

 

Team Liquidの優勝は正直厳しいだろう。

確かに、DoubleLiftやJensenなどのスーパープレイヤーは存在するが、他チームのエースと比較すると少し見劣りしてしまう。

Impact先輩がThe shyに惨殺されてしまう未来が見えてしまうのも問題だ。

さらに他の3チームが決勝を3-0という圧倒的スコアで優勝しているのに対しTeam Liquidだけが3-2というギリギリのスコアでのMSI進出である。

Team Liquidが優勝したらちょっとビックリである。

 

総括して筆者の今年のMSI優勝予想は『SK Telecom T1』だ。

でも、優勝してほしいのはDFMだ。

MSI 予想まとめ
優勝:SKT Telecom T1
準優勝:Invictus Gaming
ベスト4:G2 Esports / PVB

■アナリストの各チーム格付け

 

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