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ゲームティーチャー斉藤太のJKプロゲーマー調教講座
eスポーツがオリンピックの公式種目に採用され、それに伴い日本では「競技ゲーム甲子園」が開催されることに。全国の高校で続々とゲーム部が新設され、隠れゲーマーだった国語教師・斉藤太も、勤務校のゲーム部顧問に抜擢される。自らのゲーム時間が減るのを嫌がる心とは裏腹に、長いものには巻かれる体質の太は、校長直々の指令を引き受ける。
ゲーム部に集まってくるのは、一筋縄ではいかない部員達。出席日数が足りず留年の危機にある、ワケあり生意気美少女・櫻井美月(さくらい・みづき)。家柄良好品行方正、しかしながら嗜虐趣味のある合理主義優等生少女・神崎悠珠(かんざき・ゆず)。テニス部のエースでアイドルでありながら、手首の怪我が原因で部活を辞めた爽やかイケメン・井出琢磨(いで・たくま)。地味でオタク気質、極端に引っ込み思案なモデル体型少女・岩切灯里(いわきり・あかり)。
最初は面倒がる太だったが、自らの趣味でもあるゲームを教える楽しさを見出し、生徒達と一緒に奮闘していく。果たして太は、思いどおりにならないじゃじゃ馬部員たちを調教して、ゲーム甲子園に出場することができるのか!?
「長い! あらすじ1行でまとめてくれ!」
そんな人もいるだろう。読書感想文に定評がある私がまとめると以下の通りである。
美少女3人とイケメン1人にPUBG教え込んでesports甲子園優勝目指す、ゲーマー教師の物語。
(厳密に言うと、作品の中で登場する競技タイトル名はPUBGではないのだが、元ネタは間違いなくPUBGである。)
……どうだろう、この字面を見るとesportsを嗜む者は少し興味が湧いてこないだろうか。
esportsをやっている人の9割9分がアニメも好きなので、きっと興味津々な人も多いだろう(ド偏見)。
私は新宿のアニメイトに友達の付き合いで立ち寄った時、この書籍を発見し、つい購入してしまった。
友達の付き合いで立ち寄った、アニメイトで偶然知ったこの書籍が、とても面白かったので簡単なレビュー記事を書いてみたいと思う。
なるべくネタバレはしない方向性で書く予定だが、もしかすると意図せずネタバレ要素を書いてしまっているかもしれないので、一応ネタバレ注意をしておく。
斜に構えていたが、しっかりesportsしていた。
この書籍のあらすじを読んだとき、つい私はこの本に対して怪訝な目を向けてしまっていた。
「ゲーム初心者4人集めてちょっとの期間でesports大会優勝目指すとか、現実的じゃなくね?」
文字通り何千時間という時間を費やしている選手が集う競技シーンを知っている私は、そもそもこの本の基本設定に疑問を感じていたのだ。
それもメンバーは女子が3人いるという設定。
現状esportsシーンのほとんどは男性プレイヤーが占めていることもあって、「まあどうせおとぎ話の類で、リアリティは皆無なお話なんだろう」と斜に構えていた。
しかし、その偏見的な思想はページを読み進めていくたびに、消え去っていった。
確かに登場する高校生達はゲーム初心者だが、主人公である斎藤太先生のesportsを短期間で上達させるための手法は「あ、この作者のゆあん先生ってゲームめちゃくちゃやりこんでる人だ」と思わされる、合理的なものばかりであった。
「まずはゲームを楽しい! と心から思えるようになること。好きがプレイ時間を生み、勝ちたいという気持ちを生む」
この考えを斎藤太先生は徹底するのだが、同じ様なことを、日本や世界で何度も勝利してきた元プロゲーマーの人たちも全く同じことを言っていた。
そして斎藤太先生が考案する様々なゲームを用いての練習はどれも、「あ~確かに、最初はこれやったら基本が身につくよな~」と思わされるものばかりであった。
例えば凡そCSGOらしきゲーム(本の中では別名になっていたが)を使ってひたすら鬼ごっこをさせ、FPSの基本的な動かし方を身に着けさせること。
ひたすらランダムで出現する的をクリックさせ、AIMを鍛え上げることなどだ。
元々、優秀な進学校に通う生徒ということもあり、学習能力が高いという設定なので、興味と効率を武器にメキメキと実力を伸ばしていく描写は読んでいてとても清々しい気分になった。
途中JKにエロゲーをプレイさせるなど、「……(。´・ω・)ん?」と思わされる場面もあったが、面白かったのでOKということにしておく。
そして、esports甲子園、全国大会出場がかかった試合は、非常に丁寧にPUBGの熱い戦闘が描写されており必見である。
何を語ってもネタバレになってしまうので、その結末と試合展開は是非本を手に取って読んでみてほしい。
ヒロインがとってもかわいい
「esportsファンが唸ることは分かったけど、ちゃんとラノベ好きも楽しめるんだろうな?」
大丈夫です。ちゃんとかわいいヒロイン揃ってます。
エロマンガ先生を毎回発売日に購入する私が保証しましょう。
生意気なんだけれども、どこか脆さをチラつかせる、胸元が開きがちのメインヒロイン櫻井美月(さくらい・みづき)。
生徒会から派遣されてきたしっかり者、でもぺったんこな胸が少し気になりがちの神崎悠珠(かんざき・ゆず)。
メガネでおさげの地味な見た目で、自分はコンプレックスにしているもののネットでは大人気な素晴らしい声を持つ、興奮すると博多弁がでる、岩切灯里(いわきり・あかり)。
後、イケメンさわやかの井出琢磨(いで・たくま)。イイヤツ。
この個性豊かなメンバーがPUBGの世界で、各々自身の特徴を生かして戦っていく、『スポ根×かわいい』の素晴らしい物語となっている。
esportsシーンに様々なコンテンツが出てきた喜び
「eスポーツ」というワードが昨年流行語ベスト10にも選ばれ、どんどん世間に認知され始めている。
そしてついに、「ラノベ」というコンテンツでもesports関連の書籍が表れてきた。
ゲームだけに留まらず、このように色々な形でesportsというものを楽しめるようになってきてることは、とても素晴らしいことである。
ゆあん先生による、「ゲームティーチャー斉藤太のJKプロゲーマー調教講座」を是非皆さんも手に取って読んでほしい。